先輩x後輩対談「可能性を試せる社風」

社会人経験の先輩後輩に集まっていただき、それぞれの立場から語っていただきました。

小西ゆかりさん

株式会社基陽 顧問 総務人事部門担当

  • 1982年4月に現パナソニック株式会社入社。
    法務、ブランドコミュニケーション、全社プロジェクト、業界活動等に従事。
  • 2021年1月から現職。
  • 同年1月から(一社)電子情報技術産業協会シニアアドバイザーに就任。
安藤風子さん

株式会社基陽 デザイン部 主任(2021年3月時点)

  • 2017年4月入社
  • カタログ、Webをはじめとした販促物制作に携わり、デザイン部創設以降は製品開発に取り組んでいる。
小西
安藤さんは入社の際に、『社会の困難解決に役立ちたい』との思いがあったとのことですが、どのような背景があったのか、聞かせていただけますか? また、入社されてから、その思いは実現されていますか?
安藤
私は大学でデザインを勉強していました。デザインとは、格好良い、見た目の良いものをつくるということではなく「世の中の役に立つ形・仕組みを考えること」がデザインの基本として学んだことでした。その学びを生かしたいという気持ちがありました。
例えば大学時代、食品ロスが日本で年間800万トン発生しているということを知り、その課題を解決する、食への意識を高めるプロダクトを作ったこともありました。
何らかの社会課題を見つけて解決のためにデザインの力を使うことを大事にしたいと考えています。
2017年に入社して今4年目で、まだまだ道半ばだと感じています。
小西
なるほど、そうなんですね。そもそも、基陽のことをどのようにして知ったのですか?
入社の経緯を聞かせてもらえますか?
安藤
基陽という会社を知ったのは、兵庫県の産業活性化センターのHPからでした。頑張っている企業として取り上げられており、私自身もモノづくりが出来る働きやすい会社、メーカーを就職先として探していました。
そして、基陽はグッドデザイン賞も受賞している、墜落制止用器具(安全帯)という命を守る道具を作っていること、日本で年間300人もの方が墜落・転落事故で亡くなっていることも知りました。事故のことや製品のことを初めて知り、基陽は世の中の困難に対して取り組む視点をもっている会社と感じ、興味を持ちました。
自分の力が誰かの役に立つのではと考え、会社見学等を経て入社へと繋がりました。
小西
たまたま兵庫県の関連HPを見てということでしょうか。あるいは、兵庫県に対して何か思い入れがあったのですか?
安藤
はい、生まれは兵庫県の西宮市でした。幼い頃、阪神淡路大震災を受けて家族で東海地区へ引っ越しました。ですので、全く知らない土地ではなかったです。
小西
そうなんですね。実は、私も震災当時は西宮市に住んでいました。でも私が阪神淡路大震災を経験したのは働いている時でしたので、若干の時の流れを感じますね(笑)。
私も、モノづくりに関わりたいという思いで、当時の松下電器産業に入社しました。より良い商品を作り、社会のお役に立つ。松下幸之助創業者の『企業は社会の公器』という考え方に惹かれて入社しましたので、入社への根本的な考え方は安藤さんと近いのだと感じます。
安藤
ありがとうございます。
小西
現在、安藤さんはデザイン部の部署を立ち上げ、リーダーとして活躍されています。社歴が浅い中で、新たな部署の立ち上げは難しかったかと思います。色々なご苦労もあった半面、やりがいを感じる部分もあったかと思いますが、特に印象に残っていることはどのようなことですか?
安藤
そうですね。今までと考え方を変えるという気持ちの部分が一番大変だったかと思います。人から仕事を与えて貰うのではなく、自ら課題設定し、目指すべきビジョンをつくること、人を巻き込んで説得していくことも難しいと感じています。
心の支えになったのは、デザイン部のメンバーです。
部署を独立することとなり、リーダーは私ということに不安は無かったですか?と改めて聞いたことがありました。そのとき、何の不安もない、と言ってくれ、不安だらけだった私にひたむきに付いてきてくれたことは本当に嬉しかったです。業界の課題をどのように解決するか、そこに課題解決意識を持って取り組んでいた。逆に、感化されましたし、きっと業界一の開発チームを目指していけると根拠もなく確信しました。これでうまくいかないなら私の責任だと。だけど大丈夫だ、周囲のことよりも目の前にいる人たちを大切にし、信じて進もうと思いました。私は人に恵まれていると思っています。
小西
なるほど。安藤さんの役職名もリーダーですが、リーダーとは未来を思い描いて、共に働くメンバーにわかりやすく示し、しかも率先垂範して引っ張る立場です。安藤さんは、社歴に関係なく日々奮闘されているのを感じます。チームメンバーを信頼する、それはとても大事なことですね。信頼関係は人間社会においても根本的な部分ですよね。
安藤
はい、そうですね。
小西
当社のデザイン部は、デザインに特化させるだけでなく企画開発からブランディングも担っている。安藤さん自身が仕事をする上で、大事にしていることはどのような部分か教えていただけますか?
安藤
そうですね、目指すところがまだまだ遠いので日々考えながら奮闘しています。目的を明確にしながら、毎日進んでいくしかないと思っています。社会課題が目の前にあるので、企画も開発も進めていきたいかな、と。
小西
「企画開発部」いう組織名でもよかったと思いますが、あえて「デザイン部」にしたのは何か意図がありますか?
安藤
はい、以前いた部署での業務は、カタログやWeb関連の販促物作成中心でした。そういう経緯もあり、包含した意味合いの名称にしようかと。今でも迷うところではありますが(笑)。何より、私が大学で学んだ「デザイン=設計」という意味を組み入れたかったのです。
小西
人生をデザインするとか、キャリアデザインとか、言いますね。
安藤
はい、広義的な意味で捉えようと考えました。デザイン雑貨、というような捉え方でなく、生き方とか大きな意味でのデザインと考えたい。これからを構築していく、ビルディングしていくデザイン、というような意味です。ですので、商品企画部ではなく、デザイン部という部署名を考えました。ユニバーサルデザインとか、生活全般の広い意味でのデザイン、それらを包含した部署名にしたかった。広義的な意味で付帯する諸々、商品ラインナップやサービスを作り上げていくことも業務の一環である、と位置付けたいと考えました。
ただ、今後の社内の役割も考え、もっと明確にしても良いかと悩むところでもあります。
小西
名は体を表すということで、社名や組織名は大事ですよね。よくわかりました。今後の展開も広がりそうですね。まだまだ成長中の安藤さんですが、今後やってみたいことや目標は、どのようなことがありますか?
安藤
もう少し、製品開発の幅を広げていきたいと考えています。実務面でも未着手の分野も多いので。幅を広げて、経験を積んでいきたいです。
やはりまだ墜落制止用器具(安全帯)は使う方にとって不便な道具だと思います。フルハーネスは安全のため装着すべき道具なので、法改正はされていきますが、まだまだ着用に義務感を伴う道具。この辺りの意識をデザインでどう超えていくか、課題は多いと思っています。
小西
そうですね。まさに社会課題の解決に繋がりますね。
昨年発売されたこの女性用ノングラフルハーネスはどこからの発想なのですか?
安藤
女性用フルハーネスの企画の段階で、色々な現場で職人さんへの装着体験を重ねました。
事前には、いろいろな機能(オプション)が多い方が良いのでは?と想定していましたが…。
小西
機能があれば便利だと?
安藤
はい、しかし装着していて、重さが一番の課題だと実感しました。辛かった重さをどのように解決するか、どう軽く使い続けられるかを考えました。
小西
開発の際は、使い手の方にも話を聞いたりしたんですか?
安藤
はい、実際に訪問しお話を伺うと、女性の職人さんには「自分らしさを大切にしたい」という価値観の方が多いと感じました。
小西
それぞれの方が、信念を持って働かれている?
安藤
そうですね、既存の業界に馴染んで生きるのではなく、自分のスキルや性質を生かして、この業界で仕事をするぞ、という意識が高い人が多い。同化していくわけでもなく、戦うわけでもなく、自分らしさを大切にされていた。その辺りをデザインに反映させました。最初は方向性から全て試行錯誤しましたが、とにかく華やかで、クール&スタイリッシュ。格好良くいたい、という方々を思い出しながら、マゼンタとシルバーのアシンメトリーデザインをつくりました。
小西
ピンクではなく?マゼンタなんですね?
安藤
ピンクはフェミニンな印象になってしまうので、マゼンタと表現しています。
小西
確かに、この色はスタイリッシュで力強く、素敵ですよね。
安藤
ありがとうございます。
今はプロ向けのショップやブランドもターゲットを少し広げながら、伝え方を工夫されています。性別も超えて色々な現場を想定し、機能性も上がってきている。他の業界のモノづくりや見せ方を参考にしていきたいと思っています。
小西
なるほど。昨今、東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の森喜朗前会長の発言をきっかけにジェンダー格差の問題がクローズアップされました。私が社会に出たのは40年程前になりますが、残念ながら、以前と変わっていない実態もまだまだあります。建設業界は男性が多い業界かと思いますが、女性も増えてきていますし、職場環境も改善されつつあると思います。男女ともに安全第一で、その安全を支えるモノづくりということでは、安藤さんの姿勢や視野の高さ、素晴らしいと感じます。
安藤
ありがとうございます。
自分の可能性を試したい、という野心はあるかもしれません。どこまで行けるか、どこまで走って行けるか。そのような気持ちと共に。 
小西
この志、とってもいいですね。基陽のキャッチコピーにしたいですね!(笑)
安藤
はい、基陽の理念の「共に栄える」って、就活の時、HPで見ていいなと思いました。入社前に、基陽の三主義や理念、KH体操も全部覚えました。覚えなきゃ!って頑張ったんですよ。大学の研究室でKH体操を練習していたので、「安藤さん何してるの」って、ゼミ生たちから変な目で見られていました。「就活対策です」って答えて。体操や歌、面接の時に聞かれるかと思ったんです。
小西
で、聞かれなかった!(大笑)そういえば、ゼミの教授から、安藤さんのことを『この人は稀有な人材です。真面目で純粋で。』と紹介された、と総務人事の担当者から聞きました。(笑)
安藤
人から言われたことだけやってたら、課題解決には結びつかないと思うんです。私達のデザインが社会の課題を解決する力がある。そして、社会貢献にも繋がっている。一緒に走っていける人たちがチームに加わってどこまでも行けたら良いな、と思います。
小西
そうですね。基陽では、「お声を聞いて、安全安心をカタチに」するために、全社員が一丸となって頑張っています。一人ひとりが、自身の可能性を試しながらチャレンジできる風土があると思います。その実現のためにも、共に頑張っていきましょう。ありがとうございました。

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